桜島
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 鹿児島県済生会

鹿児島県済生会の施設一覧


ご挨拶

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済生会支部鹿児島県済生会 支部長 揚松 龍治

済生会支部鹿児島県済生会
支部長 揚松 龍治

 令和5年4月に吉田支部長の後任として鹿児島県支部長に就任いたしました揚松です。
済生会は、明治天皇の「済生勅語」に基づき明治44(1911)年に設立されました。100年以上にわたる活動を踏まえ、「生活困窮者を済(すく)う」、「医療で地域の生(いのち)を守る」、「医療と福祉、会を挙げて切れ目のないサービスを提供」という三つの目標を掲げ、日本最大の社会福祉法人として全職員約64,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開しています。

 済生会支部の1つである鹿児島県済生会は、現在、鹿児島市に済生会鹿児島病院と済生会鹿児島地域福祉センターを、薩摩川内市に済生会川内病院を設置しており、3施設が連携しつつ、各地域の医療福祉に貢献しています。

 鹿児島県済生会の歩みは、昭和5(1930)年12月鹿児島市における恩賜財団済生会鹿児島診療所の開設に始まり、翌昭和6(1931)年7月に鹿児島県済生会支部が設立されました。その後、昭和23(1948)年2月に済生会鹿児島診療所が済生会鹿児島病院に昇格しました。同年11月には、川内市(現薩摩川内市)に済生会川内診療所が開設され、昭和36(1961)年9月に済生会川内病院に昇格しました。また、済生会鹿児島地域福祉センターは平成9(1997)年8月に「特別養護老人ホーム高喜苑」を中心に設立されました。

 鹿児島県済生会支部は、平成28(2016)年、人口減少や超高齢少子社会等の環境の変化と医療法・介護保険法等社会保障関連法の改正や、社会福祉法人改革等済生会をとりまく環境の激変に対応するため、済生会という一事業体として、資源の選択と集中による効率的・効果的運用を図るべく、「済生会基本構想」を策定しました。所管エリアは、施設が地理的に鹿児島市と薩摩川内市に分かれているため、鹿児島エリア(鹿児島病院と鹿児島地域福祉センター)と薩摩川内エリア(川内病院)に分け、各エリアごとに地域のニーズと施設の機能(特に地域医療構想における医療機能)を考慮した構想となっています。

 鹿児島エリアのうち、鹿児島病院は、これまで一般病床40床と療養病床30床を有し、人工透析、消化器内科、一般内科を中心とした医療を提供してきましたが、令和4(2022)年3月より一般病床すべてを地域包括ケア病床に転換し、同年11月には療養病床を18床とし、介護医療院(定員12人)を開設したところです。今後は地域医療構想調整会議の議論も踏まえ、在宅復帰を支援する回復期から慢性期にいたる医療機能を担うべく、鹿児島地域福祉センターと密な連携体制を構築し、地域包括ケア病床、回復期リハ・通所リハ機能、在宅訪問医療機能を強化・付加し、地域医療・地域包括ケアに貢献したいと考えています。

 鹿児島地域福祉センターは平成9(1997)年8月の特別養護老人ホーム高喜苑と訪問看護ステーション開設を皮切りに、ディサービスセンター、ホームヘルプステーション、訪問入浴センター、指定居宅介護支援センター、軽費老人ホーム、グループホーム等を開設し、さらに平成26(2014)年11月にはサービス付き高齢者向け住宅を開設する等、介護福祉の施設・事業所を順次開設し、地域包括ケアの推進をめざし、現在14の事業を展開しています。

 地域包括ケアの推進には、済生会自身のサービス提供体制づくりの努力のみならず、地域の住民の方々、行政はじめ関係機関・団体の方々との日常的な協働が必要であることから、平成28(2016)年度に、「共に生きる済生会地域包括ケア推進ボランティア養成講座」を開講しました。目的は、地域住民の方々が心身ともにより健康となる自助力・互助力・利他力をつけ、地域で困っておられる隣人に気づき、必要な支援・サービスに繋ぐとともに、共に支えあって生きるソーシャルインクルージョンの地域づくりの核となっていただく方々を養成することです。済生会本部で養成される地域包括ケア連携士と連携し、より広く、深く地域の方々と繋がり、済生会が「共に生きるソーシャルインクルージョンの地域づくり」の拠点になることをめざしたものです。コロナ禍で講座は中断を余儀なくされましたが、これまでの修了生は夫々の地域で共生地域づくりのボランティア活動を継続されています。

 さらに、鹿児島地域福祉センターの利用者は高齢で基礎疾患を有し医療が必要な方が多いことを踏まえ、より充実した支援が可能となるよう、済生会の精神を活かした切れ目のない保健医療福祉・生活支援サービスを提供する地域包括ケア推進の拠点として、鹿児島病院と機能的に一体化した済生会鹿児島地域包括ケアセンターを平成30(2018)年4月に設立しました。

 令和4年(2022)年度には、近年増加している孤独死・孤立死をなくすため「身寄りの無い独居高齢者終活支援プロジェクト」を立ち上げ、身寄りの無い独居高齢者等の終末期支援ニーズ調査を実施し、互助・共助の地域づくり支援への取り組みを継続中です。

 今後は鹿児島地域福祉センターと鹿児島病院とがさらに一体化を深め、高齢者に限らず、すべての県民・市民、特に、生祉活困窮者、障害者、刑余者、難病の方々、支援の必要な子ども達等も対象に、よりよい地域包括ケアサービスを能率的に提供するとともに、全ての方々が共生できる地域づくりに貢献できるよう鹿児島地域包括ケアセンター体制を深化させていきたいと考えています。

 薩摩川内エリアにある川内病院は、現在244床で川薩医療圏における急性期医療機能を担っています。地域の中核的な高度専門医療、救急医療を積極的に行い、地域がん診療拠点病院として位置づけられ、また、北薩圏域(出水・川薩医療圏)において、地域周産期母子医療センターとして位置づけられています。これらに加え、地元に川内原子力発電所が設置されていることから、被ばく医療対策施設として位置づけられており、災害拠点病院としての役割も重要なものとなっています。今後は、地域医療連携計画に位置づけられた様々な医療機能を強化しつつ、地域医療構想調整会議の議論も踏まえ、地域のニーズと他の医療資源の状況をみながら、今後のあり方を検討することとしています。

 済生会鹿児島県支部は、済生会本部構想と済生会鹿児島県支部基本構想のもとに、鹿児島エリア、薩摩川内エリアでそれぞれ地域のニーズに応えるべく済生会の精神と強みを発揮し、済生会の役割を果たせるよう一層の精進を重ねてまいります。

 皆様のご理解とご協力をどうかよろしくお願い申し上げます。


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